行政書士試験合格後に登録を考えている方へ

皆さん、こんにちは(^▽^)/

先日は行政書士試験がありましたね。法令問題については、今年はなかなか難しかったとの声が聞かれます。また一般知識は通常のパターンに戻って良問だったとの感想も聞かれる反面、簡単だったようで高得点を取れている受験生は多いようです。合格率はどうでしょうか。去年より少し下がる程度かなと予想してます。国家資格である士業の中でも、行政書士試験は合格率が高く人気はあると思います。しかし、あまり合格率を上げるのはどうなのかなと思います。世の中に行政書士が足りてないのなら理解は出来ますが、体感的に全然余ってる状況です。合格者を増やすなとはいいませんが、昨今の行政書士がやっている事を考えるともう少し質が担保されるようお願いしたいなと思います。

さて、試験を受験する目的は様々ですが中には登録を考えている方もいると思います。登録して実務でバリバリ活躍することを望まれているのなら、最低限やって欲しいと思う事があるので述べてみたいと思います。と言っても2つだけです(笑)

1.簿記と個人事業主の税務を学ぼう

 独立開業することは言い換えれば経営者になることです。最初は一人で個人事務所として開業する方が圧倒的に多いでしょうから、必然的に経理処理を自分で行うことになるでしょう。そう考えると簿記の知識は必須です。ただし、簿記検定と実務経理はこれまた少し違いますから、個人事業主の経理処理と税金知識を学んで欲しいと思います。よく、仕訳なんて簡単。申告書も自分で簡単に作れるとか自信満々にアピールされている方も居ますが、処理が正しいか否かを問わず払う税金が少なくない限り税務署は文句言いません。もしかしたら間違って申告して多く税金を払っているだけかもしれませんよ。

 会計は一つの取引で色々な処理方法があります。その選択を誤ると不要な税金を納める結果になるやもしれません。知識がある人と全く知識が無い人とでは意外と大きな差になっているものです(税金の話に限りません)。税務署は多く払い過ぎてますからお返ししましょうとは原則ならないです。しかし、ほとんどの人は多く払い過ぎているにも関わらず自分で気が付きません。知らぬが仏とはよく言ったものです。

2.ビジネスマナーを身に着けよう

 社会人経験のある人は大丈夫ですが、社会人経験の無い方は色々な意味で大変です。やはり最低限のビジネスマナーは身に着けて欲しいなと感じます。電話の応対からアポの取り方や名刺の交換方法など。相手が二人以上の場合、名刺をどのように机に並べたらいいのか経験のある人しか分かりませんよね。どこに座ればいいのか、お茶など出されたら飲んでもいいのかなど、社会人経験が無いと打ち合わせ以前にテンパってしまってお客様との信頼関係が崩壊してしまいます。

 見積書・領収書・預り証・請求書・・・普段から色々な書類をお客様とやり取りしますが、何をどのタイミングで作成していつ渡すのかなど経験していないと分からないと思います。FAXでのやり取りやメールの返信も気を使います。ビジネス経験が無いと、相談業務で実際にお客様に会うときは怖くて震えるのではないでしょうか。やはり最低限のビジネスマナーは開業するなら知っておきたいと思います。

個人的にはこの2つを押さえておけば何とかなると思います。
実務家講座、起業塾、ホームページ作成講座、コンサルや各種セミナーなどに頼るのは後からでも十分と考えます(お金が余ってる人はオススメします)。私はこのような物は一切利用してませんが、利用しなくても今後何とかなりそうな気がしてます。実際何もしなくても着実に仕事の依頼は増えています。オシャレなホームページもあればいいかな程度でそこまで効果があるとは思えません。自力で作れるなら良いですが、業者に依頼するなら予算と相談しましょう。実務家講座なんてのも開業予定者には人気のようですが、許認可も自治体によってローカルルールが存在しますし依頼が来てから調べても十分間に合います。昭和の時代と違って役所の職員の対応もとても親切です。同様に申請書等のテンプレート集も人気のようですが必要ないでしょう。申請書や届出書も内容がコロコロ変わりますし自治体によって扱いが違う場合もありますから。営業も出来ればやるに越したことはありませんが、むやみにチラシをばら撒いたり飛び込み営業する位なら止めた方がいいと思います。しつこい営業は嫌われる可能性が高いです。この職業は1件の仕事を得るのに999人に嫌われたら意味ないと思います。

以上が私個人の主観に基づいた記事です。
何が正しいのか誰にも分かりません。全く同じ事をやっても成功する人と失敗する人はいるでしょう。一つ言いたいのは周りの情報に振り回されないようして欲しいなと思います。食えないと言われている行政書士ですが実はその通りです。正確には行政書士業務だけでは食えない人が多いということ。ひよこ狩りという言葉が出てくるのも行政書士の特徴です。仕事が無いから不安で焦りたい気持ちは分かります。そのような心理を逆手に取って言葉巧みに営業をけしかけて新人(ひよこ)の大切なお金を搾取する・・・そんな共食いの世界です。行政書士業務を探すより新人同業者相手にコンサルとかする方が簡単にお金になるのは事実でしょう。個人的には例え良心的であっても新人同業者を相手にビジネスをするのは良い印象を持ちません。

残念ながら開業当初はほぼ(行政書士の)仕事の依頼はありません。ほとんどの先生は同じ事を言うと思います。依頼者の立場になって考えれば至極当然のことであり、経験も実績の無い先生に依頼しようとは普通は思いません。余程のコネがあるか、強引な営業でもしない限りは当面は暇だと思って下さい。なので開業するなら当面の生活資金の確保は必要でしょう。せめて1年間は売上ゼロでも生活できる資金は欲しいと思います。資金は気がついたらあっという間に枯渇します。資金が無いと心に余裕も無くなり無茶な仕事を受任しがちになります。問い合わせしてきたお客様には、何が何でも契約にこぎつけようと望んでない事を強引に提案しがちになるでしょう。これでは駄目です。確実に信頼を失います。開業されるなら資金の余裕度を優先的に考えて欲しいです。恐らくですが、開業3年で1件も受任してない先生も結構居るのではないかと思ったりします。そんな世界です。

この業界で生きる者として、誰からも信頼されて尊敬される職業でありたいと思います。
しかし、今のままでは行政書士って胡散臭いよねって言われるのがオチだと思います。

この現状は何とかならないものでしょうか。

 

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